5年次の病院・薬局実務実習では、薬剤師の指導の下、実際の医療現場で「参加型」の実習を行います。薬剤師資格を持たない薬学生が医療現場で実務実習を行うためには、必要かつ十分な基礎的知識や技能・態度を有していることを確認する必要があります。
臨床薬学部科の学生は、4年次の12月~1月に薬学共用試験センターが実施する薬学共用試験に合格しなければ、病院ならびに薬局での実務実習に参加することができません。薬学共用試験は「知識および問題解決能力を評価する客観試験(CBT) 」と「技能・態度を評価する客観的臨床能力試験(OSCE) 」に分けられます。
薬学生として最低限必要な専門的知識および問題解決能力を評価するために、コンピューターを用いた多肢選択試験形式での客観試験を実施します。出題範囲は、薬学教育モデル・コアカリキュラムおよび実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠します。試験はゾーン1~3 の3 ゾーンに分けて実施し、合計310問が出題されます。
CBT (Computer-Based Testing)
出題分野 |
出題数 |
ゾーン |
ヒューマニズム・イントロダクション |
10問 |
3 |
物理系薬学 |
30問 |
1 |
化学系薬学 |
40問 |
1 |
生物系薬学 |
35問 |
1 |
健康と環境 |
40問 |
3 |
薬と疾病(薬理・薬物治療系) |
55問 |
2 |
薬と疾病(薬剤系) |
35問 |
2 |
薬と疾病(情報系) |
15問 |
2 |
薬学と社会 |
20問 |
3 |
実務実習事前学習 |
30問 |
3 |
薬学生が実務実習を行うために必要な基本的な技能や態度、コミュニケーション能力などを評価するために、客観的臨床能力試験を実施します。技能・態度の評価は、5 領域6 課題からなる実地試験を実施し、薬学部教員のほか、病院や薬局の薬剤師が評価を行います。
OSCE (Objective Structured Clinical Examination)
領域 |
課題 |
1.患者・来局者応対 |
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2.薬剤の調製(1)(2) |
- 計量調剤(散剤)
- 計量調剤(水剤)
- 計量調剤(軟膏剤)
- 計数調剤
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3.調剤鑑査 |
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4.無菌操作の実践 |
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5.情報の提供 |
- 薬局での薬剤交付
- 病棟での服薬指導
- 一般用医薬品の情報提供
- 疑義照会
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